デイサービスのトイレ立て篭もり事件
友人の話です。私の友人のMさんは、2年前にくも膜下出血で左半身が不自由になり、車椅子生活をするようになりました。そんな中でも、週3回迎えに来てくれるバスに乗って、デイサービスに元気に通っています。デイサービスも人の集まる場所ですから、いつも楽しい事ばかりではないようですが、Mさんは何かしら楽しみを見つけては、自分の充実した時間を過ごしているようでした。そんな前向きな彼女ですが、やはり時には感情が爆発してしまう事もあるようです。Mさんは普段、家ではご主人とお姑さんとの3人暮らしです。嫁姑の仲はさほど悪い方ではないのですが、最近お姑さんの認知症が進んできたせいか、Mさんにつらく当たる事が増えてきたそうです。健康体ならいざ知らず、Mさんも今や車椅子で不自由な生活を強いられている身ですから、お姑さんからあまりにつらい仕打ちを受けては、たまったものではありません。ある日、耐えかねた彼女はデイサービスのトイレに立て篭もったそうです。お姑さんのいる家には帰りたくないと、Mさんにとっては決死の覚悟の立て篭もりでした。彼女は人に感情をぶつけるタイプではないので、お姑さんに文句が言えないのです。トイレに立て篭もる事が、せいいっぱいのMさんの自己主張でした。でもデイサービスの職員さん方は大騒ぎです。何度説得しても、Mさんは出て来てはくれません。結局3時間ほど経った頃、彼女のご主人が駆けつけ、何とか彼女を説得できたとの事でした。普段は大人しく穏やかなMさんの、稀に見る武勇伝でした。